私たちは、第三京浜の都筑インター近くにある、日本盲導犬協会神奈川訓練センターに取材に行きました。取材では広報担当の白井さん、訓練士の浅田さん、盲導犬になるため訓練中の犬が協力してくれて、盲導犬のこと、訓練のこと、この施設について教えていただくことができました。
ここは、たくさんの職員、盲導犬の訓練犬やボランティアさんが働いています。
まず盲導犬について聞きました。盲導犬に向いている犬種は「ラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバー」だそうです。やさしい見た目やおだやかで人のことが好きな性格を持っているからです。しかし、すべての訓練犬が盲導犬になれるわけではありません。1人前の盲導犬になれる確率は30~40パーセント。盲導犬にならない犬は、イベントや募金で活躍するPR犬、繁殖犬、ボランティアさんのペットになるなど「キャリアチェンジ」をします。一頭ずつの個性や適性を見極めて、その犬が一番幸せになれる道を探すのだそうです。
訓練についても聞いてみました。まず盲導犬になるための訓練に大切なのはワンちゃん自身が楽しんで訓練ができることだそうです。実際に訓練の様子を見せてもらうと、訓練士の浅田さんのいう事を聞いている犬はよく尻尾を振って楽しそうにしています。楽しんで訓練ができるようにするために、「人に協力することが楽しいことだ」と思えるように、よくほめてあげることが大切なのだそうです。
盲導犬に大切な訓練は主に二種類あります。一つ目は、「DE」と呼ばれる、「ドッグエデュケーション」。もうひとつは、「TW」と呼ばれる、「タウンウォーク」です。
一つ目のドッグエデュケーションは、人と慣れたり、協力したりするのが楽しいと思えるようにする重要な訓練です。 二つ目のタウンウォークは、実際に街なかを歩くための訓練です。1頭につき20~30分歩くことが多く、よくセンター北方面で訓練を行っているそうです。
体育館のようなところで、人の左側について歩く「ヒール」や、「シット」の指示で座ったり、「ダウン」の指示で伏せたりする訓練や、段差、曲がり角、障害物があることを人に教える訓練を見せてもらいました。この段差、曲がり角、障害物があることを教えることは人の命に関わるとても重要なものです。実際に盲導犬といっしょに歩く体験もさせていただきました。指示は、細かく正しく出さないと盲導犬は動けません。目の見えない方と盲導犬との信頼関係が、とても大切なのだと感じました。訓練の時も、ハーネス*を着けていますが、このハーネスをつけた犬はお仕事中という意味なので、もし訓練中の犬を見かけても、話しかけたり触ったりしないようにして欲しいそうです。
訓練センターには、盲導犬と視覚障がい者のユーザーさんがお互いに慣れる訓練をするため、ユーザーさんと一緒に寝泊りして生活する部屋もあります。
このような訓練は半年から1年間で終わり、立派な盲導犬になるそうです。
盲導犬は見かけることはあっても、詳しいことは知らなかったので今回貴重な体験をすることができ、とてもよかったです。普段はできない取材ができ、盲導犬や訓練士の仕事にとても興味がわきました。
*ハーネス 胴体に装着する胴輪。盲導犬は、ハーネスを取り付けて歩行する。
(2015.8.21)
記事:井上大躍、北川百佳、川上万菜佳、山田大輝
取材:井上大躍、折出実優、樫山もも花、川上万菜佳、加藤凜
、北川百佳、北野智奈、倉田みさき、小森悠生、佐藤恵花、成松あかり、成松もも、永井奏音、山田大輝
日本盲導犬協会神奈川訓練センター
https://www.moudouken.net/center/kanagawa/