花や野菜の品種を研究開発し、販売しているサカタのタネの本社(仲町台)に取材に行きました。サカタのタネは、優れた品種の育成を軸にした研究開発型の企業で、2013年に100周年をむかえ、今年で創業104年になりました。100年前に創業されたときには、小さかった「坂田農園」が、今は海外19か国に25の拠点があり、世界中に知られるほどの大きな企業に成長しました。日本からはるか遠いブラジルにも子会社があるのです。世界中に、約2200人の社員がいます。
そんな世界中に拠点があるサカタのタネの本社がここ、都筑区にあるのです。
サカタのタネでは、さまざまな研究開発をしています。たとえば、お花では、世界初となる無花粉ヒマワリを開発しました。今まで花粉が部屋に飛び散って家で飾りにくかったヒマワリが、家の中で楽しめるようになりました。
サカタのタネのオリジナルブランドの野菜には、「アンデス」メロン「プリンス」メロン、トマトでは「アイコ」「王様トマト」などもあります。このうち、「アイコ」を試食させていただきました。すこし細長いミニトマトで、とても甘くておいしかったです。
また、特にブロッコリーには力を入れていて、日本でのタネのシェアは、3分の2以上。3株のうち2株は、サカタのタネのタネから作られているのです。
サカタのタネは、横浜F・マリノスや、スペインのサッカーチームなどのスポンサーになり、スポーツも応援しています。
説明していただいたあと、いくつか質問をしました。
Q:昔は研究していたけれど、今は研究していない品種はありますか?
A:アサガオです。販売はしているのですが研究はしていません。
Q;温暖化問題がありますが、10年後、20年後に必要とされる種はどんな種だと考えていますか?
A:暑さに強い品種や、乾燥に強い品種を研究しています。
Q:いま世界で人口問題、食糧問題が起きていますが、1番解決するのにいいと思う作物は何ですか?
A:穀物だと思いますが、一概には言えないです。
Q:品種改良をする時に気を付けていることは何ですか?
A:「遺伝子組換えをしないこと」「農薬をなるべく使わずに育てられるように、病気や害虫に強く、育てやすい品種を作ること」です。
このように、サカタのタネは、さまざまな研究開発をして、品質の良さにこだわり、世界初のことを成し遂げていることがわかりました。これからも、ひとを元気にさせるようなきれいな花や、子ども、お年寄りにも食べやすく、おいしい野菜を作ってほしいです。
品種の研究開発は商品になるまでなんと約10年もかかるそうです。タネは品目ごとに適した温度や湿度で貯蔵管理して、大切に保管されています。そのような苦労を知って、これからは野菜など残さず食べようと思いました。
最後に、本社の屋上緑化や、グリーンプラザという温室、そしてエントランスの花だんなどを見学させていただきました。入り口の花だんはとてもすてきでした。入ってすぐのところにある、グリーンプラザは、会社営業日の平日9時〜16時であれば、誰でも入って鑑賞することができる、無料の温室です。屋上緑化は特別に見せていただきましたが、その芝生は、1995年に本社を移転してきてから現在までで過去に2回しか水やりをしていないそうです。保水性の高い、軽量な人工土壌「アクアソイル」を使っているため雨水のみで植物が生育できると知り、すごいなと思いました。
サカタのタネ
http://www.sakataseed.co.jp
記事:長島桜 宮下敦行 佐々木颯太 梶村孟史 長谷川絢美 吉村心琴
取材:遠藤凜音 梶村孟史 吉村心琴 宮下敦行 桑野煌己
佐々木颯太 小森志穂 長谷川絢美 長島 桜