ぼくたち、わたしたちの未来、勉強中です!

〜能の体験講座〜

6月12日、私たち文化部は、仲町台の地区センターで能を体験しながら取材してきました。
能について、現役の役者である藤田安彦(ふじた やすひこ)さん、伊藤眞也(いとう しんや)さんが、話してくれました。

藤田さんのお話によると、能は、神への豊作や人々の平穏な生活を祈ることが主で娯楽とは思われていませんでしたが、将軍が応援したことによって、踊りや歌だった能は、物語へと変化していきました。
そのため、大名などは能を愛するようになり、江戸時代になると、能は幕府指定の芸能であると認められました。

能のセリフは、昔の言葉を使っていて、動きもわかりにくく難しいものですが、それを見ている人が、一つ一つの動きに込められた気持ちを自分で想像し、感じるものです。
能を見ていると想像力が豊かになるそうです。

〜能を体験して〜

足袋を履いて、扇を使わせてもらいました。能の台本には、セリフと能の動作を表す特別な記号が書いてありました。そして私たちは体験で「老松」(おいまつ)というお正月やお祝いなどで行われている能をやってみました。実際にやってみると、セリフを言いながら動作を行うのはとても難しかったです。他にもこの場面は何をしていることろなのか当てることもやりました。昔の言葉でほとんどわかりませんでしたが、「悲しい」という自分が知っている言葉が出てきたので、少し想像することもできました。全てを理解することは難しかったのですが、想像力を働かせてみると、少しでもお話の内容が理解できたことがうれしかったです。

〜能の藤田先生と、伊藤先生への質問〜

Q1. どうして能を始めたのですか?
・藤田先生 … 会社の謡曲部から誘われたからです。
・伊藤先生 … 大学のサークルに入ったことがきっかけです。

Q2. 能をやっていて気持ちがいいときはどんなときですか?
・藤田先生 … 大声で歌っていると気持ちがよくなります。
また日本語や、日本なりのリズムが良いです。
・伊藤先生 … 能の舞台では、いつも緊張しながらやっていますが、
ある一定の時間続けていると役に入り込んで気持ちよくなります。

Q3. 能で大変なことは何ですか?
A. 作り物がたくさんあったり、登場人物がたくさんいると大変です。
何回も演じているものは覚えているのでやりやすいけれども、新しい能に取り組むのが大変です。

Q4. 能の練習はどのような事をしていますか?
A. できるだけ大きな声で、お腹から声を出す練習をしています。

〜能の公演〜

6月19日に渋谷のセルリアンタワー能楽堂で行われた「第15回 櫻間會例会」に取材に行ってきました。
能とは、約600年の歴史を持ち、舞踏・劇・音楽・詩などの諸要素が交じりあった現代最古の舞台芸能です。一般的な能は、主人公のほとんどが霊界の人で、すでに完結した人生を物語る、というお話が多い不思議な演劇です。能は日本の文化なので、聴いているうちにリズムが体になじんできす。

今回の「第15回 櫻間會例会」では、「景清」というお話の能をやってくださいました。
このお話には主に、シテ:悪七兵衛景清(あくひちべいかげきよ)、ツレ:景清の娘 人丸、
ワキ:里人、ワキツレ:人丸の従者という登場人物が出てきました。
この中でも驚いたのは、景清の娘 人丸の役を小学5年生の男の子がやっていたことです。
さらに、5年生の男の子が舞台で演じていたので、すごいなと尊敬しました。
最近は、能のこども教室もあるそうです。

私は、能を見るのは初めてでした。会場は静かで、能が始まると演じている人の声や太鼓、笛の音でにぎわいました。席は、ほぼ満席でした。子どもは、私たち以外に数人いました。お年寄りの方が多かったです。最初は、能をただ見ているだけでしたが、途中からは、演者の言っている言葉や、内容にも注意して聴くことができました。わからない言葉もありましたが、がんばって動きから想像し、解読しました。
作り物もしっかりしていて、本物の屋敷のように感じました。特に、一の松、二の松、三の松まで用意されていて、作りが細かいな、と思いました。

この機会で能について、たくさん知ることができました。みなさんも、日本の昔からの文化「能」を見に行ってみてはどうでしょう。

(記事担当:永野萌  取材参加者:石井真央 下川紗季 永野萌 矢野淳奈)

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